鉄道業界のBCP対策

目次

自然災害や事故発生時にも事業を止めないBCP策定は、企業にとって重要な課題です。社会インフラを支える鉄道業界では、どのような対策を行っているのでしょうか。本記事では、鉄道各社の具体的なBCP事例や対策のポイントを紹介します。

鉄道業界のBCP対策事例

JR貨物

全国規模の輸送ネットワークを維持するため、災害時にも指令機能が継続できるよう、指令所の二重化やバックアップ体制を構築しました。また、被災状況に応じて迂回輸送ルートを確保したり、輸送障害発生時のトラックによる代替輸送体制を整えたりしています。燃料や車両部品の備蓄も重要な対策の一つでしょう。

JR西日本

JR西日本は、南海トラフ巨大地震などの大規模災害を想定し、実践的な訓練を繰り返し実施しています。訓練では、設備の被害状況把握、復旧作業員の動員、安全確認後の運転再開手順などを確認。さらに、駅構内での乗客誘導や、帰宅困難者支援、代替交通手段となるバスの手配など、利用者保護の観点からの対策も重視されている点も注目されます。迅速な情報提供体制の整備にも力を入れているようです。

京急電鉄

首都圏で運行する京急電鉄では、特に首都直下地震への対策に重点を置いています。駅舎や高架橋などの耐震補強工事を着実に進めるほか、災害発生時の情報伝達手段の多重化、多言語対応による案内強化、帰宅困難者への支援物資備蓄などを実施しています。全社員への防災教育や定期的な訓練により、いざという時に組織的に対応できる体制を整えているのです。

西日本鉄道(西鉄)

西日本鉄道(西鉄)のように、鉄道だけでなくバス事業なども展開する企業では、グループ全体での連携を意識したBCPが特徴です。災害発生時には、鉄道とバスが連携して代替輸送を行えるよう、情報共有や指示系統を明確化しています。重要業務を特定し、それらを優先的に継続・復旧させるための計画を具体化し、訓練を通じてその実効性を高めています。

鉄道業界のBCP対策のポイント

自社の社会的役割と責任の認識

まず、鉄道業界のように自社の事業が停止した場合の社会的な影響を深く理解し、それをBCP策定の強い動機とすることが重要です。自社のサービスや製品が顧客、取引先、地域社会にどのような影響を与えるかを具体的に認識することで、対策の優先順位やレベル感が明確になります。

具体的かつ多角的なリスクの想定

次に、自社を取り巻くリスクを具体的に、そして多角的に想定することに力を入れるべきです。地震や水害といった自然災害だけでなく、サプライチェーンの寸断、サイバー攻撃、感染症の流行、インフラ(電力・通信)の停止、主要な取引先の倒産など、あらゆる可能性を洗い出し、それぞれの発生確率や影響度を評価することが求められます。

重要業務を止めないための代替策の準備

事業継続の核となる重要業務が停止した場合に備え、代替策を事前に準備しておくことに注力すべきです。鉄道業界の指令所の二重化や代替輸送のように、重要機能、設備、人員、拠点、情報システム、サプライヤーなど、多角的な視点で具体的な代替手段を検討し、確保しておくことが事業継続性を高める鍵となります。

迅速・正確な情報伝達と連携体制の構築

緊急時における迅速かつ正確な情報伝達体制の構築は、特に力を入れるべきポイントです。従業員への指示伝達、安否確認、顧客や取引先への状況説明、そして必要に応じて地域社会や行政機関との連携など、誰が、いつ、誰に、何を、どのように伝えるのかを明確にし、その手段を複数確保しておくことが重要になります。

実践的な訓練と継続的な計画の見直し

BCPの実効性を高めるためには、策定した計画に基づく定期的な訓練と、その結果を踏まえた計画の見直しに特に力を入れるべきです。机上の空論に終わらせないためにも、シナリオに基づいた図上訓練や、実際に体を動かす実践的な訓練を通じて課題を発見し、計画を継続的に改善していくプロセスが不可欠です。

従業員の安全確保と役割の明確化

何よりもまず、従業員の安全確保に最大限注力すべきです。従業員の安全が確保されてこそ、BCPは実行可能となります。安全確保策を講じた上で、緊急時に従業員一人ひとりがパニックに陥らず、自らの役割を理解し、適切に行動できるよう、日頃からの教育や情報共有を徹底することが重要です。

まとめ

鉄道業界におけるBCP対策は、社会的な役割の大きさから、非常に高度で多岐にわたる取り組みが行われています。大規模災害や予期せぬ事態を具体的に想定し、代替手段の確保、情報伝達体制の構築、そして何よりも定期的な訓練と見直しを通じて、計画の実効性を高め続けている点は、多くの企業にとって学ぶべき点が多いはずです。

今回紹介した鉄道業界の事例を参考に、自社の事業特性やリスクを改めて見つめ直し、より実効性のあるBCPを策定、あるいは見直すきっかけとしていただければ幸いです。事業継続は、企業の信頼を守り、従業員とその家族の生活を守るための重要な経営課題なのです。

災害発生の初動を支援する!
【目的別】BCPツールの
選び方

BCPツールは、災害発生時に早期復旧できるような仕組みづくり・体制づくりに役立ちます。とはいえ「いろんな種類がありすぎて選べない!」という方も多いでしょう。ここでは、おすすめのBCPツールを3つの目的別にご紹介します。導入を検討している方は、自社の目的と照らし合わせながらチェックしてみてください。

公共交通機関・製造現場
混雑状況を瞬時に把握し
最適なオペレーションを遂行
BCP-PREP(アールシーソリューション)
BCP-PREP(アールシーソリューション)
引用元:アールシーソリューション
(https://bcp-prep.com/)
おすすめの理由
既存の運行管理システムや生産管理システムでは把握できない、混雑状況をリアルタイムで一元管理。刻々と変化する状況や人的リソースの確保状況を即座に把握が可能です。状況に応じた適切なリソース配分や人員配置の再構築を行えます。
ケアサービス事業者
利用者の安否確認を重視する
Biz安否確認/一斉通報(NTTドコモビジネス)
Biz安否確認/一斉通報(NTTドコモビジネス)
引用元:NTTドコモビジネス
(https://www.ntt.com/business/services/application/risk_management/anpi/lp/kw02.html)
おすすめの理由
災害発生時、スマホなど複数手段で自動配信。回答があるまで、最大5回までリトライ送信します。震度7の地震にも耐えるデータセンターで運用する安心・確実性の高い安否確認システムです。
不動産・小売事業者
災害時リアルタイムに
状況を確認したい
Bois(国際航業)
Bois(国際航業)
引用元:国際航業
(https://www.kkc.co.jp/service/lp/7855/)
おすすめの理由
拠点リストを登録しておくことで、災害時の情報収集を自動化。店舗や不動産など、複数物件を管理する場合でも、拠点ごとに事業への影響を自動予測し、迅速な初動対応を可能にします。

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