金融業界のBCP対策

目次

金融機関は、災害やサイバー攻撃などによりシステム停止が発生すると、社会全体に深刻な影響を及ぼします。本記事では、金融業界特有のリスクを踏まえたBCP対策の事例と実践的なポイントを解説します。

金融業界でのBCP対策事例

株式会社青森銀行

東日本大震災を契機に、大規模災害時における従業員の安否確認や一斉通報の仕組みが必要不可欠であると考え、「Biz安否確認」の導入を決定されました。導入の決め手となったのは、システムを支えるデータセンターの堅牢性と高いセキュリティです。有事の際にも安定して稼働する可用性に加え、運用状況に合わせた柔軟な設定が可能である点も高く評価されました。これにより、災害など予測不能な事態に備えた強固な運用基盤を構築することができました。現在は、従業員の安否確認や緊急時の一斉通報に活用するだけでなく、幅広い用途への展開も視野に入れ、さらなる利活用を進めていくことを検討されています。

株式会社セゾン保険サービス

セゾン保険サービスでは、東日本大震災を契機に安否確認システムの必要性を痛感し、ANPICを導入しました。導入後は年数回の防災訓練を実施し、未回答者への徹底指導により、現在では災害発生時に1時間以内で100%の回答率を実現。社員全員が安否報告の重要性を理解し、防災意識も格段に向上しました。ANPICは社員の安全確保と迅速な出社状況の把握を可能にし、同社のBCP対策に大きく貢献しています。

D株式会社

大規模な従業員体制を抱える企業では、BCP策定の一環として、災害時に迅速に安否確認や指示・連絡を行える仕組みが求められていました。各部署ごとに管理者が状況を集計できる体制を整えたいというニーズに応えたのが、ALSOKの安否確認サービスです。シンプルで直感的に操作できる点も評価され、導入の決め手となりました。

アイペット損害保険株式会社

アイペット損害保険株式会社が従来使用していた安否確認システムは、地震以外の災害に対応していなかったことから、2019年に発生した台風19号では安否確認連絡が発報されませんでした。また、安否確認の連絡はメール通知の形での運用を行っていたため、休日の場合にはメールに気づかず連絡が取れないといった課題もありました。

そこで同社では、特別警報にも対応が可能な「安否確認サービス2」を導入し、2024年に発生した能登半島地震をきっかけに「LINE連携」を導入しました。また、運用では「発報30分以内の報告義務」というルールを設け、管理職を巻き込んだ訓練を実施。その結果、回答率99.5%、回答時間中央値2.7分を達成しました。また、日常業務の中でも欠勤連絡などで活用しており、システム利用を習慣化することができています。

金融業界でのBCP対策のポイント

リスクシナリオの特定と優先順位付け

  金融機関に特有のリスクとして、自然災害だけでなくサイバー攻撃や停電、システム障害などが挙げられます。取引や決済業務など、社会的影響が大きい機能を優先的に保護する必要があり、リスクごとに対策の優先順位を定めることが重要です。

システムインフラの冗長化と切替設計

  業務継続には、データセンターの分散配置やクラウドとオンプレミスの併用が効果的です。また、障害が発生した際に自動で切替が行える仕組みを導入し、常時監視体制を整備することで、復旧のスピードと信頼性を高められます。

通信・回線冗長化と代替手段確保

  通信の遮断は金融機関にとって重大な問題です。そのため、複数キャリアの回線を確保し、無線や衛星通信をバックアップ手段として用意する取り組みが進んでいます。これにより、障害発生時にも最低限の業務を継続できる体制を整えられます。

運用プロセスと対応手順の明文化

  BCPの効果を高めるには、障害対応の手順を明確に定めることが不可欠です。インシデント対応から復旧、再発防止までの流れを文書化し、代替人員も含めた体制を構築します。さらに定期的な模擬訓練を行うことで、実践力を高めることができます。

データ管理とバックアップ戦略

  金融機関は膨大な取引データを扱うため、リアルタイムのデータレプリケーションやスナップショット取得が有効です。地理的に離れた拠点にバックアップを保管することで、災害リスクを分散し、復旧目標時間(RTO)や許容可能なデータ損失時間(RPO)を満たす体制を確立します。

他業界・取引先との連携と情報共有体制

  金融業界は単独では成り立たないため、決済ネットワークや他行との連携が不可欠です。障害情報の共有や緊急時の代替協定を結ぶことで、業務の停止を防ぎます。また、規制当局への報告フローを整備することも重要な要素です。

まとめ

金融業界におけるBCP対策は、社会的信用と業務の安定性を守るうえで欠かせない取り組みです。サイバー攻撃やシステム障害、災害など多様なリスクに備えるには、リスクシナリオの洗い出しと優先順位付けを行い、システムや通信の冗長化、バックアップ戦略、明確な対応手順の整備を進めることが重要です。さらに、定期的な訓練や運用の見直しを重ねることで、計画に実効性を持たせられます。金融機関は継続的な改善を通じて、社会全体の信頼を支える強固な事業継続体制を築くことが求められます。

災害発生の初動を支援する!
【目的別】BCPツールの
選び方

BCPツールは、災害発生時に早期復旧できるような仕組みづくり・体制づくりに役立ちます。とはいえ「いろんな種類がありすぎて選べない!」という方も多いでしょう。ここでは、おすすめのBCPツールを3つの目的別にご紹介します。導入を検討している方は、自社の目的と照らし合わせながらチェックしてみてください。

公共交通機関・製造現場
混雑状況を瞬時に把握
定期訓練にも有効活用できる
BCP-PREP(アールシーソリューション)
BCP-PREP(アールシーソリューション)
引用元:アールシーソリューション
(https://bcp-prep.com/)
おすすめの理由
既存の運行管理システムや生産管理システムでは把握できない、混雑状況をリアルタイムで一元管理。刻々と変化する状況や人的リソースの確保状況を即座に把握が可能です。状況に応じた適切なリソース配分や人員配置の再構築を行えます。また、訓練機能により本番同様に操作してもデータが元に戻るため、気軽に演習を繰り返しBCPを改善できます。
ケアサービス事業者
利用者の安否確認を重視する
Biz安否確認/一斉通報(NTTドコモビジネス)
Biz安否確認/一斉通報(NTTドコモビジネス)
引用元:NTTドコモビジネス
(https://www.ntt.com/business/services/application/risk_management/anpi/lp/kw02.html)
おすすめの理由
災害発生時、スマホなど複数手段で自動配信。回答があるまで、最大5回までリトライ送信します。震度7の地震にも耐えるデータセンターで運用する安心・確実性の高い安否確認システムです。
不動産・小売事業者
災害時リアルタイムに
状況を確認したい
Bois(国際航業)
Bois(国際航業)
引用元:国際航業
(https://www.kkc.co.jp/service/lp/7855/)
おすすめの理由
拠点リストを登録しておくことで、災害時の情報収集を自動化。店舗や不動産など、複数物件を管理する場合でも、拠点ごとに事業への影響を自動予測し、迅速な初動対応を可能にします。

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・Bios...災害情報を自動収集・予測できる唯一の災害情報収集ツール

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