道路や河川、上下水道を支える土木業界では、災害時の対応力が企業の信頼に直結します。被災しながら地域の復旧を担う立場には、他業種以上に厳格な事業継続計画が求められます。
日本は地震や豪雨が頻発する災害大国であり、土木業界は被災者でありながらインフラ復旧の主役を担います。発注者・協力会社・地域住民と関係先が多岐にわたる点も、事業継続計画の整備を急務にしています。
2024年4月から時間外労働の上限規制が建設業に適用され、平時の労働環境整備と災害時対応の両立が経営課題となりました。BCPは安全配慮義務と社会的責務を同時に果たす土木業界の経営手段といえます。
土木業界のBCPは、現場で運用できる4つの軸で整理します。人命・安否確認、連絡・通信手段、重要業務の継続と早期復旧、協力会社・発注者との情報連携です。
自社の被災度合いと地域からの応急対応依頼を同時に判断できる体制づくりが鍵となります。各軸の責任者と判断基準を平時から決めておけば、有事の意思決定が滞りません。
携帯電話圏外となる山間部の工事現場やダム建設現場では、従来の電話連絡網だけでは安否確認が成立しません。豪雨で林道が崩落し、従業員と連絡が取れない事態は土木業界で繰り返し起きています。
衛星通信や防災アプリで連絡手段を平時から二重化しておけば、一方が途絶しても初動対応の遅れを抑えられます。
計画を絵に描いた餅にしないためには、現場で使える具体策を押さえます。通信環境の整備と防災アプリの活用は、平時の業務効率化と有事の備えを両立する代表的な手段です。
圏外の山間部では、低軌道衛星を用いた衛星インターネットとクラウド型PBXを組み合わせ、電話とデータ通信を同時に確保する仕組みが実用化されています。
施工期間に応じて利用を停止できる柔軟な契約を選べば、コストも抑えやすくなります。役所や取引先とのメール送受信も可能になり、平時の業務効率化にも寄与します。
初動の遅れは被害を拡大させます。気象庁の災害情報と連動して通知や安否確認を自動配信する防災アプリを使えば、最初の数分で状況把握が進みます。
株式会社新興の事例です。「山間部でもメールが利用できるデータ通信環境を構築したい」という課題に対し、低軌道衛星を利用したインターネットサービス「Starlink Business」の導入を検討しました。さらに音声通話の要望を満たすため、クラウド型PBX「Arcstar Smart PBX」を組み合わせて採用しています。
この2つのサービスをセットで導入したことで、山間部などの過疎地でもデータ通信と音声通話(内線)の両方が利用可能となり、緊急時の連絡課題を一挙に解決。従来の衛星電話サービスと同等のランニングコストに抑えながら、通信設備を持たずにスピーディな導入を実現しています。
参照元:NTTドコモビジネス(https://www.docomobs.com/case/shinko/?utm_source=com&utm_medium=referral&utm_campaign=com_case27)
BCPはステークホルダーと運用してこそ効果を発揮します。協力会社・発注者と情報連携の手順をすり合わせ、災害時に共通の判断軸で動ける関係を築くことが欠かせません。
平時の業務効率化は有事の備えに直結します。通信インフラと安否確認ツールの整備から着手し、社内体制の点検と情報収集を続けることが第一歩です。
BCPツールは、災害発生時に早期復旧できるような仕組みづくり・体制づくりに役立ちます。とはいえ「いろんな種類がありすぎて選べない!」という方も多いでしょう。ここでは、おすすめのBCPツールを3つの目的別にご紹介します。導入を検討している方は、自社の目的と照らし合わせながらチェックしてみてください。

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