水産業を取り巻く環境変化やトラブルのリスクに備え、事業継続を支える「BCPツール」の重要性が高まっています。
社会課題の解決と安定した運営を目指すうえで、ICTを活用した対策は欠かせません。本記事では、陸上養殖における最新のツール導入事例から、その具体的な効果を解説します。
水産業は自然環境の変化による影響を非常に受けやすい産業です。水質の悪化や設備の故障が、養殖している魚介類の死滅など甚大な被害に直結するリスクを常に抱えています。
同時に、国内の食料供給を支える水産業において、近年は労働力不足も深刻な社会課題です。現場では限られた少人数でプラントや設備を回さなければならず、省力化と業務効率化が急務となっています。
こうした「自然リスクへの備え」と「少人数での事業運営」という2つの大きな課題を同時に解決するため、最新テクノロジーを活用した確実なBCP対策の導入が強く求められているのです。
BCPツールとは、災害やシステムトラブルが発生した際に事業の停止を防ぎ、早期復旧を支援するシステムのことです。
水産業においては、環境の異常を早期に検知するセンサーや遠隔監視ツールなどが、初動対応を早める重要なBCPツールとして機能します。水温の測定・コントロールを行い、異常があれば即座にアラートを発報することで、事業の安定稼働を強力にサポートします。
ここでは、実際の陸上養殖プラントにおける具体的なツール導入事例をご紹介します。
陸上養殖において事業継続と安定稼働をサポートするため、主に以下のICTソリューションが導入され、高い効果を上げています。
これらのツールが、どのようにトラブルへの迅速な対応と省力化に貢献しているのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1つ目の事例は、水槽内の水温を正確に測定し、コントロールする「ICTブイ」の導入です。水温の急激な変化は養殖魚の生育や生命に直結するため、厳密かつ絶え間ない管理が欠かせません。
ICTブイを導入することで、あらかじめ設定した水温から外れるなどの異常が発生した際に、即座に担当者へアラートが発報される仕組みを構築できます。
このシステムにより、現場のスタッフがトラブルの兆候にいち早く気づき、迅速に対応できるようになります。結果として、甚大な被害を未然に防ぐ有効なBCP対策として機能しているのです。
参照元:NTTグリーン&フード株式会社(https://www.docomobs.com/case/ntt-green-and-food/?utm_source=com&utm_medium=referral&utm_campaign=com_case26)
2つ目の事例は、現場の作業員が「スマートグラス」を装着し、水槽や養殖対象の健康状態を遠隔から見える化する取り組みです。
緊急時や休日など、責任者が現場に直接向かえない場合でも、スマートグラスを通じてリアルタイムで鮮明な映像と状況を確認できます。これにより、遠隔からの的確な指示や出荷判断が可能となります。
少人数での運営時においても、わざわざ現場に足を運ぶ回数を大幅に減らせるため、日常業務の省力化と確実な事業継続の双方に大きく貢献しています。
水産業におけるBCPツールは、トラブルの早期発見や日々の省力化に直結する重要な存在です。
ICTを活用した安定的なプラント運営は、国内の食料問題といった社会課題の解決や、地域活性化にも大きく貢献していくでしょう。
持続可能な事業運営を目指し、ぜひ自社に合ったツールの導入検討を進めてみてください。
BCPツールは、災害発生時に早期復旧できるような仕組みづくり・体制づくりに役立ちます。とはいえ「いろんな種類がありすぎて選べない!」という方も多いでしょう。ここでは、おすすめのBCPツールを3つの目的別にご紹介します。導入を検討している方は、自社の目的と照らし合わせながらチェックしてみてください。

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